「金型」とは
「金型」ってご存じですか。
理系の方でも答えられる方はわずかです。
私たちの周囲を見渡すといろんな形の商品が並んでいます。
たとえば、自動車です。自動車の構成部品は2万点以上と言われています。これらの部品を一つずつ作ることを考えてください。しかも寸分違わず大量に作るのです。 非常に難しい
ことです。しかし、「金型」を作ることによって、可能となります。何日もかか って作るものを「金型]を使うことにより秒単位で作ることもできます。
均一な部品を大量に早く作ることができ、コストが劇的に安くすることができます。そのため、「金型」は産業のマザーツールと呼ばれています。
Q&A
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ダイカストとは
溶湯を注入と同時に圧力をかけて鋳造する方法。複雑な形状でも寸法精度が保た れ、しかも表面がなめらかな製品を作ることができる。
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寿精工で製造できる金型の種類と大きさ
アルミダイカスト・亜鉛ダイカスト・マグネシウムダイカストに使用する金型
鋳造機の型締力(40t 〜 1200t)
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金型産業の特徴
1. 製品の多様性
多種多様な部品作りに対応。
2. 一品生産、受注生産
受注があって初めて生産が開始される。
単品生産のため工程管理が難しい。
3. 熟練工への依存度が高い
複雑な形状加工・仕上げ加工のため熟練した技術が必要。
4. 中小企業が多い
単品生産のためスケールメリットがなく、大企業になりにくい。
5. 金型は、無からの創造業
受注した時点では、製品の図面もしくはコンピュータのデータしかなく、 その姿を具現すべく鉄の塊から削り出します。
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素形材って何?
私たちの社会、文化、産業のあらゆる場面に登場する製品は、元々は何かの素材 から作られています。素材はその特性を活かされ、形を与えられて、さらに役に立つ物となります。
「素形材」とは、素材に熱や力が加えられ、形が与えられた部品や部材のことを言います。具体的な素材としては、金属を始め木材、石材、窯材、ゴム、ガラス、プラスチックなどがあります。最近ではファインセラミック、複合材料も使われるようになりました。これら素材を「素形材」に変えるためには、鋳造、鍛造、プレス、粉末冶金などいろいろな材料加工法が使われます。
こうしてできた「素形材」はそのままか、わずかな機械加工により精密に仕上げて製品となります。
また、最近のハイテク「素形材」の生産には、自動化のほか、コンピュータやロボット技術が駆使されて、我が国の素形材産業はその品質・性能でも生産量・生産金額でも世界のトップクラスをいくものです。
「素形材」はその用途によって、強さ、堅さ、延性などの性質のほか、摩耗しにくい、腐食しにくい、熱に耐える、振動を吸収する、削りやすいなど、いろいろな特徴が要求されるので、その部品へのニーズに応じて、「素形材」の性質や加工方法が選ばれます。
このように素材に加工が施されてできあがる「素形材」は、遙か紀元前の昔から私たちの生活には欠くことのできないものであり、また新しい時代の到来とともに、その可能性には計り知れないものがあります。
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自動車1台あたりの金型費用
製品を素材の塊と見ることはさほど難しくなく、自動車はいわば鉄の塊 (非鉄金属、プラスチック、ゴム、ガラスの塊でもある)といえる。しかし、最終製品に現れない金型が果たしている役割を認識することはかなり難しい。自動車一台分(1トン)の鉄のコストは5万円程度に対して、自動車一台分に使用される金型は2,000〜3,000組はあり、自動車一台あたり10万円程度の金型費用がかかっているといわれる。 (素形材産業ビジョン策定委員会資料より)